皆さん、こんにちは。
筆者のキョン(@kyon2021f)です。
今回は花ちゃん出演映画「大名倒産」について紹介します。
主演は神様こと神木隆之介さん。
2022年夏に京都で撮影の目撃情報があり、浅田次郎さんの原作を映画化か?とニュースにもなりました。
江戸時代後期を舞台にしたコメディで、気楽に見られる作品。
以下、ネタバレ注意。
作品情報
公開日
2023年6月23日
監督
前田哲
原作
浅田次郎『大名倒産』
脚本
丑尾健太郎、稲葉一広
出演者
神木隆之介、杉咲花、松山ケンイチ、小日向文世、小手伸也、宮﨑あおい、浅野忠信 他
あらすじ
江戸時代の越後・丹生山藩。鮭役人の子・間垣小四郎(神木隆之介)の家に大勢の役人が現れ、彼は自分が徳川家康の血を引く丹生山藩主の跡継ぎ・松平小四郎であることを知る。実の父である一狐斎(佐藤浩市)は、小四郎を藩主にして隠居。庶民から殿様となった彼は幸運をつかんだかのように見えたが、実は丹生山藩は25万両(約100億円)もの借金を抱えていた。困惑する小四郎に、一狐斎は「大名倒産」を命じる。返済日に藩の倒産を宣言し、借金を踏み倒してしまえば皆が救われるというのだった。
引用:yahoo映画
生きてこそ人のために役立てる
コメディと聞いていたので、気楽な気持ちで見ていたのですが、冒頭からかなり深いメッセージが。
小四郎の母・なつからのメッセージですが、非常に胸に刺さる。
そして、一家のあたたかみ。
家族のすばらしさ。
こんな日常がずっと続けばいいのに・・・と思わせるような演出でした。
当然、そこからは花が亡くなり、小四郎が殿になりと激動を迎えるわけですが、小四郎のアイデンティティは当然育ての親から作られたものであって、それが最終的な殿としての成果につながっていく。
ただ単純に殿になるという突拍子もない展開があるのではなく。
全編にわたって笑える場面も多いですが、そこには人との繋がりや命の重みなど、胸に刺さる場面もちりばめられており、ただ笑って終わりという展開だけではない、作品の魅力がありました。
小四郎ちゃん
花ちゃん演じるさよの小四郎の呼び方です。
さよは幼少期から元気な女の子で、勝気な感じは大人になってからも健在。
花ちゃんの明るい笑顔を見ることができます。
大人・さよの初登場シーンの「ひゃっこい、ひゃっこい」はなかなかの演出で、お花推しにはたまらない感じ。
「ひゃっこい」は「冷たい」の意で、水売りの呼び込みの声。
筆者が一番のお気に入りのシーンは隠し事をする小四郎に対して「小四郎ちゃぁん」と迫るシーンです。
表情は見えないのですが、声の感じと言い方がなんかぐっときちゃいました。(笑)
あぁ、そこに花ちゃんがいるな、この作品見て良かったなとそこで思えちゃいました。
花ちゃん、神木さん、浅野さんなどお芝居のレベルも高いので作品に入り込めるのも本作の魅力ですよね。
さよと小四郎のくっつくかくっつかないか、ドキドキするシーンもみどころです。
なにげに花様と神様のハグは貴重・・・。
参勤交代、そして切腹、塩引き鮭
舞台は江戸時代。
歴史の教科書で見たことがある「参勤交代」、時代劇で見たことがある「切腹」。
わかりやすくていいですよね。
大名になった小四郎は参勤交代に勤しみ、切腹馬鹿こと平八郎は事あるごとに腹を斬ろうとする。
わかりやすくていいですよね。
歴史ものでありながら、難しい設定があまりないことも本作がとっつきやすい特徴。
ちなみに参勤交代は
参勤交代とは、大名が領国と江戸とを1年おきに往復する制度のことだ。たとえば4月から1年間江戸に滞在し、翌年の4月に国元に帰って1年過ごし、その翌年の4月にまた江戸にのぼるというような移動を繰り返す。
徳川吉宗が行った享保の改革(1716年~1745年)では、幕府の財政が厳しくなったので、各大名から石高1万石につき、100石を上納させた代わりに参勤交代の江戸在府期間を1年から半年にまけてあげた(上米 (あげまい) の制)。つまり江戸に半年、領国に1年半というサイクルになった。この制度は8年ほど続くことになる。その間は大名の負担はかなり軽くなったようだ。つまりそれだけ江戸の滞在費というのが大きかったということだね。
引用:幕末トラベラーズ日本史用語集「参勤交代ってなんのこと?」
そして、切腹は
日本刀はかつての日本においては有力な武器のひとつであり、特に江戸時代には刀を持つことが武士の象徴でもありました。その武士の象徴である日本刀で自死する行為「切腹」は、武士にとって名誉ある死とされてきました。罪のある者は斬られたこと、そして自ら腹を斬る行為は勇気が必要だったことから、切腹は例え命じられた場合でも本人の勇気を讃えて名誉あるものと考えられたようです。
引用:刀剣ワールド「武士の切腹」
ふむふむ、勉強になります。
高校の日本史で習いましたよね。
藩の財政が厳しいとわかると幕府からお取り潰しされるかもしれないということで、小四郎もがんばって参勤交代していました。
大名という一国の城主でありながら、幕府にはぺこぺこして大変な時代ですよね。
また、切腹する美学みたいなものは時代劇などで見たことがありますが、命をもって償うみたいな忠誠心の示し方って日本特有の考え方。
これが戦後ぐらいまでは続くわけですからね。
これに対して小四郎の母・なつは「生きてこその」と言うわけです。
恩返しするためにも命を大切にしなさいと。
本当にその通りです。
早くに亡くなった人ということもあって、この言葉は本当に身に沁みました。
そして、物語のなかで外せないのは小四郎の育ての親・作兵衛が生業としていた「塩引き鮭」ですよね。
塩引き鮭とは
「塩引き鮭」は、内臓を取り除いて水洗いした鮭に塩をすり込み、1週間ほどおいた後流水に浸して余分な塩を抜き、軒先などで数週間干し上げ完成します。この干し上げの過程で必要不可欠なのが、村上特有の気候です。鮭が凍る程寒くはなく腐る程暖かくもない絶妙な気温と、背後に山を抱え目前に海や川を望む地形から生み出される湿気を含んだ季節風が、鮭の低温発酵を促します。発酵により鮭の持つアミノ酸が旨味成分へと変化し、結果として生鮭にはない熟成・凝縮された風味を生み出すのです。
引用:イヨボヤ会館「「新巻鮭」と「塩引き鮭」って何が違うの?」
新潟県村上市の場所だからこそできた塩引き鮭。
筆者は食べたことがなかったのですが、映画に出てくる鮭がおいしそうなことこの上ない。
その製法からもかなりの塩味があるようですが、気になります。
食べたことがある方がいたら感想を教えてください。
まとめ
江戸時代を舞台にした歴史ものですが、設定を含めて非常にとっつきやすい本作。
人と人との繋がりの温かさ、くすっと笑える軽快さ。
コメディでありながら、いろいろなことに気づける作品です。
花ちゃんファンはさよのかわいさにも注目。
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