皆さん、こんにちは。
筆者のキョン(@kyon2021f)です。
今回は花ちゃんの主演映画「青くて痛くて脆い」について紹介します。
「君の膵臓をたべたい」(キミスイ)で有名な住野よるさん原作の映画化作品。
通称、くてくて。
正直、見るまではどんな映画か想像もつかなかったですが、キミスイのイメージがあったので、女の子が男の子をリードしていく話かなぁなんて漠然と思っていました。
映画の予告・特報ではヒロインが死んだ的な匂わせも・・・。
実際は結構考えさせられるテーマというか、余白が多いなと、そんな印象です。
以下、ネタバレ注意。
作品情報
【公開日】
2020年8月28日
【原作】
住野よる「青くて脆くて痛い」
【監督】
狩山俊輔
【出演者】
吉沢亮、杉咲花、岡山天音、松本穂香、清水尋也、森七菜、茅島みずき、光石研
【あらすじ】
大学生の田端楓(吉沢亮)は人との付き合いが下手で、秋好寿乃(杉咲花)は無遠慮な発言で周りから浮いていた。お互いひとりぼっちの二人は世界を救うというとんでもない目標を合言葉に秘密結社サークル“モアイ”を結成するが、寿乃が“この世界”からこつ然と姿を消す。そしてモアイは、彼女がいなくなってからただの就活サークルに変貌する。
引用:Yahoo映画
青春サスペンスのミスリード
あらすじもミスリードを誘うような「彼女がいなくなってから」の文言があります。
これが、実はいなくなってないんですよね。
あくまで田端のなかで秋好がいなくなったということで、秋好の考え方・生き方は本質的には変わってない。
予告や特報を見る限り、完全にいなくなった体で語られていたので騙されました。(笑)
秋好が目指す「平和な世界」や「自分を変える」ということは、学生たちの就職を支援するという形で果たされている。
そういった意味では、学生たちがモアイに所属することで見える世界は確かに変わっていると思います。
学生にとって「世界を変える」とは、あくまで「見える世界を変える」ってことだと思います。
それでいけば、良い企業に就職するということは将来的に見える世界も変わる。
モアイに所属する彼ら・彼女らからすると、モアイの代表=秋好なんてどうでもよくて。
自分たちにとってメリットがあると思えば所属する感じかな。
ただ、田端が疑念を抱くような「これでいいのか?」感にも共感できる。
でも、秋好は元から理想論を語る人間だったんです・・・。
でもでも、そんな秋好は田端の生き方に共感して、一緒に行動を起こそうとしていたはず・・・。
そういった葛藤から、ふたりはすれ違い・・・。
やがて田端の中での秋好は死んだということ。
その切なさが物語全体に波及しているので、なんとも言えない気持ちに染まります。
物語の最後は、田端が「変わろう」と決心し、関係が決裂した秋好の目の前に現れるシーンで終わります。
なんて声をかけるんでしょうね?
「あのとき(初めて授業で見たとき)声を掛けてくれて本当は嬉しかった」とかになるんでしょうか。
「ずっと好きだったんだぜ~」みたいなチープな言葉ではないはず。
まあ、その前に大学の講堂で「気持ちわる」って言われてますしね。
気持ちわるの衝撃
花ちゃんファンの見どころは秋好の「気持ちわる」のセリフだと思います。
吉沢さんも取材で「自分が本当に言われている気持ちになった」と語っていましたが、それぐらい迫真の演技。
心の声がまさに浮かび上がって発せられたって感じですが、秋好はそんなこと簡単に言うタイプではないんですよね。
なのに、このシーンでははっきりと言っている。
それぐらい田端に腹を立てていたし、田端の行動の動機が理解できなかったということだと思います。
そんな怒りをぶつけてくる花ちゃん(ではなくて、秋好)ですが、物語序盤の大学のシーンは初々しさもあります。
こんな素敵な女の子が自分の周りにいたら、人生変わっただろうなーとしみじみ。
田端もきっとそんな風に感じていたと思います。
彼も秋好と関わることで「変わることができた」人間だったはず。
そこには恋愛という感情だけでは語れない、彼の葛藤がありました。
まとめ
花ちゃん見たさで見た映画でしたが、本当にいろいろと考えさせられる作品です。
単純に「好き」という言葉にもさまざまな意味があるように、田端が抱いた感情は言葉では言い表せない。
そして、決して彼女(秋好)は死んでいなかった。
物の見方・感じ方によって見え方が変わる事象に対して、自分がどうかかわるか、そういったことも同時に考えさせられました。
「気持ちわる」の衝撃も去ることながら、良い作品だと思います。
花ちゃんファンは要チェックです。
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「青くて痛くて脆い」はhuluで見られます。
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